【旧藏内邸】大玄関棟の屋根修理工事が完了
更新日:2022年4月1日
旧藏内邸大玄関棟の屋根修理工事が完了しました
大玄関棟の屋根は、大正10(1921) 年に檜皮葺きで作られてから、昭和47(1972) 年に鋼板で葺き替えられました。今回の修理では耐久性が高い鋼板で全面を葺き替えました。
軒先の「軒付」という部分は当時のように檜皮葺きで修理しました。椹の板を蛇腹に重ねた上に、水で濡らした丹波産の檜皮を少しずらしながら一枚一枚重ねて敷き並べ、竹釘で打ち留めて約20センチメートル積み重ねます。最後に先端の不揃いな箇所を「手斧」という専用の道具で切りそろえます。檜皮の重厚な軒付は、品格が漂う落ち着いた雰囲気を与えます。鋼板葺きでは特に箕甲という部分は大工
が下地板を補修し、板金職人が一枚一枚叩きながら曲線が美しくなるよう仕上げました。100年が経過した鬼瓦も亀裂が多いものは一部造り直しました。
旧藏内邸の重厚な正面玄関がさらに美しくなり、来館者を迎えてくれます。
なお、今回の修理は「文化庁 歴史活き活き!史跡等総合整備事業」「過疎対策事業」で実施しました。