父母の離婚後の子の養育に関するルールの改正(共同親権等)について
更新日:2026年2月16日
令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律が成立しました
この法律は、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・看護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。
この改正により、離婚後は共同親権の定めをすることも、単独親権の定めをすることもできるよう
になります。
この民法改正のポイントは以下の通りです。
親の責務に関するルールの明確化
こどもの未来を担う親の責任として、親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。
こどもの人格の尊重
こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。
こどもの扶養
こどもを養う責任を指します。こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。
父母間の人格尊重・協力義務
こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。
下記のようなことは、このルールに違反する場合があります(注1)。
- 暴力や相手を怖がらせるような言動
- 他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること
- 理由なくこどもの住む場所を変えること(注2)
- 約束した親子の交流をさまたげること
(注1)父母の一方が父母相互の人格尊重・協力義務等に違反した場合、親権者の指定または変更の審判、親権喪失または親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。
(注2)暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。
親権に関するルールの見直し
1人だけが親権を持つ単独親権のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ共同親権の選択ができるようになります。
日常のことは、一方の親で決められる
毎日の生活に必要なこと、例えば食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事などは、父母のどちらかで決めることができます。
大切なことは父母2人で話し合う
こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては父母が話し合って決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。
一方の親が決められる緊急のケース
暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。
養育費の支払い確保に向けた変更点
養育費とは、こどもを監護・教育するために必要な費用のことをいいます。
一般的には、こどもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。
養育費の詳細については、法務省のホームページをご確認ください。
新しい法律では、養育費を確実に、しっかりと受け取れるように、以下の仕組みが強化されています。
取り決めの実効性アップ
文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
法定養育費とは
離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こどもの養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。
(注)法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
裁判手続きがスムーズに
家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
親子交流とは、こどもと離れて暮らしている父母が、こどもと定期的、継続的に会って話をしたり、いっしょに遊んだり、また、電話や手紙などの方法で交流することです。
親子交流の内容、場所、頻度は、こどもの気持ち、日常生活のスケジュール、生活リズムを尊重するなど、こどもの利益を最も優先して決めることが大切です。
なお、相手から身体的・精神的暴力等のDV被害を受けるおそれがあるなど、親子交流をすることがこどもの最善の利益に反する場合、親子交流を行う必要はありません。
親子交流(面会交流)の詳細については、法務省のホームページをご確認ください。
新しい法律では、安全・安心な親子交流や父母以外の親族との交流が行われるよう、以下の見直しがされました。
親子交流の試行的実施
家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。
婚姻中別居時の親子交流
父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。
父母以外の親族とこどもの交流
こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合、家庭裁判所はこどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。
養育費や親子交流(面会交流)に関する相談先
施行日
令和8年4月1日施行

